第二回「ギター属の奏法表記その1」

楽譜コラム

第二回目の今回はベーシックなスラー系のテクニックをご紹介いたします。

ギター・ベース属には独特の奏法が数多くあり、
例えば楽譜上ではスラーとだけ表記されていてもそれを表現する手段は複数存在するのが普通です。
また特殊奏法も多いためそれらの記譜の仕方も多岐にわたります。
ここでは弊社の楽譜製作での記譜の仕方を元にご紹介いたします。

※右手・左手の区別は右利きのプレイヤーを基準にしています。
※随時追加予定です。

ギター属の奏法表記解説。レガート(スラー)のテクニック。

ハンマリング・オン

ハンマリング

ハンマー・オンまたは単にハンマリングともいいます。
左手の任意の指で同じ弦上の上側のポジションを弦を押さえる動作だけで発音します。
右手はピッキングしません。
2音以上連続することもあります。

プリング・オフ

プリング

プル・オフまたは単にプリングともいいます。
あらかじめ弦を押さえた左手の指をわずかな勢いを付けて外すことで
同じ弦上の下側のポジション(開放弦も含みます)の音を出します。
右手はピッキングしません。
2音以上連続することもあります。

以下のようにハンマリング・オンとプリング・オフを連続して行う場面もよくあります。
ハンマリング&プリング

スライド

スライド
音が出ている状態で左手指で弦を押さえたまま目的のフレットまで指を滑らせます。
右手はピッキングしません。
2音以上連続することもあります。

チョーキング

チョーキング
押さえた左手指をフレットに平行方向に押し上げて(または押し下げて)音程を上げます。
チョーキングという呼称は日本独自のもので、外国ではベンド(ベンディング)という呼び名が一般的です。
音程を無段階に変化させる表現「ポルタメント」をギターで行うためのもっともポピュラーな技術です。
音程差は半音~1音半がよく出てきますが、2音以上のチョーキングを行うプレイヤーも居ます。(ザック・ワイルドなど。)

チョークダウン
反対に弦をあらかじめ押し上げた状態から戻すことで下降方向のチョーク・ダウン(ベンド・ダウン)も可能です。
「U」はUPの略です。
ベンドアップした状態が続く時は「hold bend」表記を用いることもあります。
ダブルチョーキング
他、2本同時のダブルチョーキング(稀に3本またはそれ以上の本数を行うプレイヤーも居ます)や、
ハーモナイズド・チョーキング
2本押さえて片方の弦だけをチョーキングする技術もポピュラーなものです(この場合下の弦が1音上がることで4度のハーモニーが3度になります)。「ハーモナイズド・チョーキング」と呼ばれます。
ユニゾン・チョーキング
チョーキング後の音程がもう1本の弦と同じになる「ユニゾン・チョーニング」も音程のズレによるうねりが独特のビブラート様の効果を生み出します。
クォーターチョーキング
また半音未満のチョーキングはクォーターチョーキング(Q.C.と記譜します)と呼ばれ、
特にブルース系では演歌のこぶし回しのようになくてはならないテクニックです。

タッピング

タッピング
右手指も動員してのハンマリングオン・プリングオフの連続です。
広義にはピッキングせずにいきなりハンマリングオンの動作(タップ)で発音する技術です。
主に右手での技術を指しますが、左手のハンマリングだけで発音する動作も同様に呼称します。

主に1980年代に一世を風靡した「ライトハンド奏法」は日本独自の呼び名です。

右手の指は人差し指・中指(またはその両方)が主に使われますが、薬指・小指まで使うプレイヤーも存在します。
左手の指とあわせて「8フィンガー奏法」と呼ばれます。

タッピングしたままその指を離さずスライドやチョーキングを行う技術が出てくる曲もあります。←野呂一生松本孝弘など
ベーシストには親指でのタッピングも多く行われます(スラップへの移行のしやすさや、サウンドの力強さが理由です)。←マーカス・ミラーなど


これらのレガート(スラー)のテクニックは単体で使われることも、複数が連続して行われることもあります。
次回はギター属ならではのテクニックや特殊奏法の一部をご紹介します。

第三回「ギター属の奏法表記その2」

その次あたりから読譜の初歩について入っていく予定です。

第四回「楽譜を読めるようになる方法 その1」

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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