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「楽譜を読めるようになる方法 その3」|TAB譜作成専門店・弦譜堂の楽譜コラム第六回

こんにちは。

弦譜堂(げんぷどう)」代表の松本祐一と申します(プロフィール)。

採譜・TAB譜作成の定番サイトとして10年以上のあいだ多くのお客様にご愛顧いただいております。

弦譜堂・楽譜コラム第六回は「楽譜を読めるようになる方法 その3」です。

音楽の素養がなかった身でどのようにして楽譜を読めるようになっていったか?

前2回ではバッハのインベンションを題材に、初級読譜練習の概要とその前段階である1小節に絞るやり方をご紹介してきました。

今回は読み方の学び方をもっと細分化してご紹介します。

これからご説明するのは私自身が楽譜を読めるようになった過程でもあります。

ぜひ、あなたにも一部分を追体験して頂けましたら幸いです。

クラシック習ってるのに楽譜が読めない!!どうする?

私は中学生からギターを始めましたが、それまでピアノやバイオリンなどの楽器の習い事をしたことはなく、当然楽譜も読めませんでした。

さらに喘息持ちのせいなのか分かりませんが必修のリコーダーも下手で、ついでに暴露しますと音楽の成績は5段階中「2」でした・・・。

筆者も楽譜が読めないところからのスタートでした。

中学1年生の春休みからクラシックギターのレッスンを受けることになった私はまず五線譜が読めないという壁に直面します。

音楽の時間で習ってきたはずなのに読めないのです。

そこは成績が2ですからさもありなんといったところです。

ですから楽譜が読めないと悩まれる方のお気持ちはよくわかるつもりです。

「でも大丈夫、読めるようになります」と言い切れる自信は私自身が読めない身から読めるようになっていったことから来ています。

1つの音から始めよう。

クラシックギターのレッスンは初心者向けの教本から始まりました。

初心者向けですから易しいはずですが、やはり読めないものは読めません。

そこで思いついたのが「1つの音に狙いを絞って、それだけは絶対外さない」というものでした。

先生にそうするように言われたわけではなく、自分で考えた方法です。

具体的には最初「ラの音(A音)」を、次は「」「ファ」といった調子で狙える音を増やしていきました。

この順番には特に意味はありません。まさに手当たり次第、です。

この頃は初心者用の教本もまだすらすらとは読めない時期でしたが、練習曲をこなす過程で「」だけはつっかえずに発音できるよう待ち構えていました。

そのうちそれほど気を入れなくても「」は音を出せるようになったので次は「」です。

「他の音はミスしてもいいけど『ラ』と『』は絶対外さないぞ」、と集中していました。

この2音で余裕が出てきたら次は「ファ」を加えました。

音符を「読む」前に「覚える」。引き出すスピードを磨いていく。

お気づきの方もおられることと思いますが、

これは「音符を読む」というよりも「音の場所を記憶する」に近い作業でした

練習を重ねるにつれ記憶の引き出しを開けるスピードがどんどん速くなり、

ついにはほぼゼロ時間、すなわち無意識レベルでわかるようになります。

これを連続して行うことが音符を読めている、という仕組みです。

指板上では膨大な量になるのでは・・・いいえ、心配はご無用です。

このエピソードを読んだあなたは、「ならばこの調子で半音も含めて12個、
さらにオクターブ違いのポジションまで全て覚えなければいけないのか」と思われたかもしれません。

そんなに大変なことにはなりませんので、ご安心ください。

例えばソ#ならソとラの間、ミ♭ならレとミの間、シならドの1つ下、というように、すでに覚えた音から割り出してカバーできるようになります。

最終的には指板上全てのポジションから音符が示す音を引き出せるようになることが目標ですが、

ひとまずCメジャースケールで「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」を把握することが最初の目標としては妥当でしょう。

始まりの「ド」の高さはレギュラーチューニングのギターで出る一番低い「ド」(C3)です。

ここでもう思い出された方もいらっしゃるかと思いますが・・・・

バッハのインベンションは最初の1小節でドレミファソラシドすべての音を網羅していましたね。

スムースな楽譜の読み方のコツのひとつ「先読み」。

実のところ音符を1つ1つ追っているかというと、そうでもなかったりします。

実践においては、プレイヤーはある程度の数の音符をまとめて読んでいます。

文章で言えば、私たちは普段文字をひとつひとつ追わずに単語・文節の単位で読んでいきますが、それと同じですね。

私の場合は内容にもよりますが、通常1拍分から2小節分単位で音を出す前に把握しています。

ですので楽譜を見る視線は実際に音が出ている箇所よりも先の部分を見ています

これが追い付かなくなるとつっかえてしまうことになるのです。

音と一緒に知覚するもの「共感覚」。色と音のハーモニー。

また「共感覚」と言われる何かの感覚に他の感覚を結びつけることがよくありました。

ある音に対して1~3種類の色が付随して想起されました。
別段珍しい話でもないようですが、記憶の強化に役立ってくれたと思います。
この感覚は変わらず今も続いています。

前述の音名に色が付いている箇所はその時イメージした色でした。

体験談募集!!

以上が私の楽譜を読めるようになっていった過程のはじめの一歩ですが、ここまで書きながら他の方はどのような道を通って来られたのだろうと思いました。

比較的譜面に強い方は物心付く前の幼い頃から楽器に親しんでいた場合が多く、楽譜を読めるようになった過程は説明できない(記憶に無い)例が多いのですが、もし「自分はこうやった」という過程を教えて頂ける方は是非おしえてください。

よろしければ当ブログでご紹介させて頂きます。
(採用分には薄謝を進呈いたします。)
今回は以上です。

いかがでしたでしょうか。

ひとまず「楽譜を読めるようになる方法」シリーズは今回で一区切りです。

次回の内容は未定ですが、ご興味をお持ち頂けそうな内容をいくつか考えています。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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