楽譜コラムアイキャッチ

コラム
「『採譜』って、どういう意味?」|TAB譜作成専門店・弦譜堂の楽譜コラム第七回





こんにちは。

弦譜堂(げんぷどう)」代表の松本祐一と申します(プロフィール)。
採譜・TAB譜作成の定番サイトとして、主に個人のお客様からのご依頼に応じてオーダーメイド形式での楽譜製作をお受けしております。
2007年の創業以来、途絶えることなく多くのお客様にご愛顧いただき、おかげさまで業界の中では老舗として認知頂くまでになりました。

弦譜堂・楽譜コラム第七回の今回は「『採譜』って、どういう意味?」という疑問にお答えいたします。

近年はSNSを中心にこの採譜という言葉がなじみ深くなってきました。

  • 「〇〇〇(曲名)の採譜できた!!」
  • 「今週中に4曲採譜が目標!!」

等のような使われ方ですね。この「採譜」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。

(以前の弊社サイト内で公開しておりました記事を元に、楽譜コラムとして再構成いたしました。)

「採譜」の意味とは。

音源(CDや音声ファイルなど)を元に、演奏内容を聞き取って楽譜を起こしていくことを「採譜(さいふ)」と呼びます(「楽譜起こし」「譜面起こし」とも呼ばれます)。
いわゆる「耳コピ」ですね。英語では「transcribe(動詞)・transcription(名詞)」です。

歌唱や楽器演奏に取り組む大抵の人ができることではあります。
聴いて覚えた歌を口ずさんでみたり、楽器でなぞるように音を出してみたり。
これを何らかの形でメモできることが「採譜」の始まりであると言えましょう。

しかし楽器独自の奏法や和音(コード)の解析となってきますと、正確な結果のためには専門的な知識が不可欠となってきます。
そしてその技量には人によって非常に大きな差があります。

案外知られていないことですが、市販されている楽譜(コード表、バンドスコアなども含みます)はクラシックなど一部を除いては作曲者(または編曲者)・演奏者が書いたものではありません。

本人以外の他の誰かによって聴き取り書かれた(採譜された)物なのです。
この作業を行った人を「採譜者(採譜師)」と呼びます。

この採譜者の技能がそのまま楽譜の出来や信頼性に直結することは申し上げるまでもありません。

正確な採譜技術の重要性。限られた時間で最大の成果を上げるために。

楽譜の出来、すなわち採譜の技術というものは想像される以上に重要な意味を持っています。
人は誰でも、限られた時間の中で過ごしています。
リハーサルスタジオや録音の場では言うに及ばず、自宅練習でさえ時間というものは有限なのです。

この限られた時間の中で、読み手側が何回も間違いを訂正しなければならない楽譜で練習や演奏に集中できるでしょうか。
さらにコピー譜とは原曲の演奏者が音に込めた想いと歌に迫れるものでなくてはならないと弊社では考えます。

採譜・浄譜とは結果(内容)いかんによって演奏のクォリティさえも左右されてくる根本的かつ重要な作業です。
正確で見やすく必要な情報が過不足なく記された譜面は演奏者の負担を和らげることにより一層音楽に集中させ、より良いプレイを引き出してくれる効果すら持つものでもあります。

演奏者の気持ちがわかるのは演奏者。

特にギターやベースなどの弦楽器には鍵盤楽器と異なり、同じ音程やフレーズを得るために複数の指使いや奏法が存在します。
この点の解析が市販譜の不十分な点でもあります。

弦譜堂の楽譜製作は研ぎ澄まされた絶対音感と高度な採譜技術を持った現役の演奏家による解析、及び独自に工夫をした製作環境の構築により他社では不可能な領域にまで踏み込んだ正確さを実現致しております。
弦譜堂の採譜は一切のごまかしが無く正確であることはもちろんのこと、チューニングやカポタストの位置の解析から演奏者の意思(弾きたかったこと)までを読み取り、尚且つ実践に即して見易く記譜することを念頭に置いて取り組んでおります。

採譜の自動化は可能なのか?

世の中には採譜アプリ・採譜ソフトと謳う製品やWebサービスがいくつか存在しています。

音源をそれらに読み込ませれば楽譜になって出力されてくる・・・とできれば大変楽ですよね。
耳コピ採譜を請け負う弊社にとっては脅威にもなり得ますが、味方につける道もあるのではと考えて折を見ては真剣にリサーチを繰り返しています。

しかし2024年現在、満足の行く結果になったものは一つもありませんでした(国内で知り得るものはほぼ網羅したと思います)。
多少直せば使えるかな?くらいのものもありません(コードネームについてはないわけでもありませんが、やはり検証と修正は必須です。生成されたコードをそのまま演奏で使用すると事故ることが予想されるものでした)。
AIの進歩は目を見張る物がありますので数十年先ならわかりませんが、少なくともここ数年での実用化は難しいのではないかと思います。

このことを以前の弊社ブログで書いたことがありますので、ご興味のある方はこちらからご覧ください。

採譜・タブ譜製作のご依頼は弦譜堂へ!

弦譜堂では個人・法人を問わず楽譜製作のご依頼をお受けしております。
8割以上がが一般のお客様からのご注文です。
もし、

  • 「あの曲弾きたかったんだよな・・・でも楽譜がなくてそのままになってた」
  • 「五線譜だけはあるんだけど、タブ譜がない」という曲がありましたら、お気軽に弊社へお問い合わせくださいませ。

>>ご料金の目安はこちら