弦譜堂の代表・松本祐一(@YuichiMatsumoto)です。
2018年にヴィオラ・ダ・ガンバに出会ってレッスンを受けるようになってから1年7か月、
自分の楽器を手にしてからはちょうど1年が過ぎました。
その間に2回の演奏会を経験し、先生のご指導のおかげもあって順調な上達を実感しています。
演奏会の動画はこの記事の最後にアップしていますのでご覧頂けましたら幸いです。
ギターとヴィオラ・ダ・ガンバの同時進行で相乗効果あり。
「ギターだけでも大変なのに、他の楽器に手を出している場合なのか」と思ったこともないわけではありません。
練習時間や集中力、やる気が分散してしまってどちらも中途半端な結果に終わるのではないかと。
しかし、その心配は無用でした。
むしろギターとヴィオラ・ダ・ガンバの相乗効果で音楽人としての自分をより成長させてくれた実感があります。
本業であるところのギターにもいい影響が出てきたと感じていますので
今日はそのことについて書いてみたいと思います。
あっ、最初の頃に苦労した話も以前書いていますのでよろしければこちらもご覧いただけますと幸いです。
ヴィオラ・ダ・ガンバを弾くことによるギターへのメリット。
では本題です。
現在私が感じている、ヴィオラ・ダ・ガンバも弾くことによるギターへの良い影響は以下の3つです。
- 左手の押弦技術の向上
- 音程に対する感覚の解像度の向上
- 読譜能力の向上
以下にひとつずつ見ていきます。
左手の押弦技術の向上
ヴィオラ・ダ・ガンバにはギターと同じようにフレットがありますが、
ピッチに対してはギターよりもシビアであると言えます。
強く押さえてしまうとますます音程が不安定になったり、楽器自体の鳴りまで抑え込んでしまうことがよくわかります。
力まずに弦をしっかり支える技術が身についてきたと感じています。
音程に対する感覚の解像度の向上
インターバル(音程)に対して敏感になります。
平均律から一歩踏み出してよりピントの合った音程感を理解し、自分で作り出せるようになってきました。
開放弦を1本ずつチューナーで合わせているだけだとなかなか難しいことです。
ヴィオラ・ダ・ガンバのチューニングは2弦のAを音叉またはチューナーで合わせ、
他の弦はAに対するハーモニーという形で合わせていくのが基本です。
これによって
- 4度・5度・3度など様々なインターバルでのベストなピッチ感
- ウルフトーンやデッドポイントの回避を両立したチューニング方法
が身につきます。
ギターでも一流の演奏家は当たり前のようにやっていることではあります。
しかし私は意のままに、とは行きませんでした。
フレットを移動できるというヴィオラ・ダ・ガンバの特性も手伝って、より良いイントネーションを自分で追及することが可能になったことは大きな進歩をもたらしてくれましたね。
なんとなくチューニングが合ってないことを自覚しながら「ギターの特性だから仕方ない…」と諦めながら弾くことがずいぶん少なくなってきました。
読譜能力の向上
ギターならト音記号、ベースならヘ音記号ですが、
ヴィオラ・ダ・ガンバの楽譜にはト音記号・ヘ音記号・ハ音記号が出てきます。
特にこの記事に書いた通りヘ音記号とハ音記号は同時に出てきたりもするので鍛えられますね。
(最初はすごくイライラしますが・・・)
ヴィオラ・ダ・ガンバにはギターへも有効なフィードバックがある。
以上3点がヴィオラ・ダ・ガンバを通してのギターへの良い影響です。
どれも今までの能力では適応し切れず「そうならざるを得ない」ものであったとも言えますが、
間違いなくギターにも有効なフィードバックであることはお分かりいただけることと思います。
そして技術的な面だけを挙げましたが、古典やバロック時代の楽曲のレパートリーを増やすことで音楽的な成長もあるものです。
ちなみに先生から伺ったお話では、ギターからヴィオラ・ダ・ガンバに転向してくる方は結構おられるそうです。
もし機会があったら、ぜひ触ってみてください。
演奏会の動画
最後に、過去2回の演奏会の動画をご紹介します。
これは2019年9月1日に行われた私初のヴィオラ・ダ・ガンバ演奏会の模様です。
カフェライブでした。
背後がキッチンになっているため、ガット弦のチューニングが湯気に大きく影響されていて少し焦ってますね…
これは2019年11月17日に行われた2回目の演奏会です。
1回目から2ヶ月半ほどですが、多少上達しているのが伝わりましたら幸いです。
今回のブログはここまでです。
次回の記事もお楽しみに。
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