弦譜堂の代表・松本祐一(@YuichiMatsumoto)です。
今日はボリュームペダルについてのお話です。
ボリュームペダル、使ってますか?
演奏者の足元に置いてあって音量をコントロールするのに使われている、あのペダルです。
ギタリスト・ベーシストだけでなくキーボーディストにもおなじみの機材ですね。
ボリュームペダルでコントロールできるのは音量(マスターボリューム)だけではありません。
ゲインコントロールとしての役割もあるんです。すなわちリアルタイムで歪み具合のコントロールができるのです。
重いからボードに入れたくない、という意見も聞きます。
しかし歪み具合の違いでペダルを増やすくらいなら、ボリュームペダルで無段階の変化を付けるという手もありますよ。
今回はエレキギターにボリュームペダルを使うなら?というテーマでの、一歩進んだお話です。
どんなギタリストが使ってる?
ボリュームペダルで音色をコントロールする名手といえば、まずは何といってもラリー・カールトンでしょう。マイケル・ランドウも素晴らしいですね。
日本人なら故・松原正樹さんと今剛さんです。
ファンとして、独断と偏見ではありますが自信を持ってお二方を推させて頂きます。
常に足をボリュームペダル上に置き、ピッキングの強弱をさらにドラマチックに強調してくる使い方には心底しびれたものです。
お二人とも私の憧れのギタリストですので、演奏をコピーしたり機材面でもいろいろと影響を受けながら自分にできそうな部分を取り入れたりしてきました。
松原さんと今さんのボリュームペダルの使い方は似ていますが、中身には違いがあります。
よほどマニアックな方ならご存知かと思いますが・・・
それは、ポット(ボリュームをコントロールしているパーツ)の抵抗値です。
松原さんは500kΩ、今さんは250kΩのポットを使っているそうです。
ポットの値が違うと何が違うのかと言いますと、出てくる音・操作に対する反応・手ごたえがだいぶ違うんですねー。
使っている楽器・機材との相性もありますので、選ぶときはイメージや先入観で決めずに自分の耳でよく確かめる必要があります。
買う時はできれば普段使っている楽器とエフェクターボードを持参して試奏に臨んだ方が失敗は少ないと思います。
ボリュームペダル比較。
さて本題です。
私もエレキギターにおいてはボリュームペダルは歪み量を調整するという使い方をしているわけですが、
持っていたものを心の底から納得して使っていたとは言い難かった(理由は後述)ところがあります。
そのため何か手はないかなと思っていたところ、前述の松原さんと今さんのポットの値の違いを耳にし、
500kΩのポットなら良いかもしれないと思い立ちました。
しかし市販品ではほとんどが250kΩです。
しかも元々使っていた方は筐体こそErnie Ballですが中身は名高いShin’s Music製であり、
クォリティ的にも揃ってくれないとな・・・と、なかなかテストにすらこぎつけることができていませんでした。
入手できないものは致し方なく、それ以上のことはあまり深く考えることもなく時間が過ぎました。
Shin`s Music同士で250kΩと500kΩを比較してみる。
これはつい先日のことなのですが、同じShin’s Music製にも500kΩのモデルが存在することを知り、取り寄せてみることにしました。
Custom504という、ちょっといいグレードみたいです。
比較的軽量・小型なのも持ち運び・ボード上の配置のしやすさに助かります。
ということで比較開始!!
ガチ比較ボリュームペダル!!
見た目は違いますが中身は同じメーカーです。
違いはポットの抵抗値。250オーム(左)と500オーム(右)。
どちらが良い悪いではなくて自分の耳に合ってるのはどっち?というテーマ。
思考停止で左を使ってたんですが右の方が今の自分に合ってますね。ということで入れ替え決定! pic.twitter.com/jL5Sb0g8rX— 松本 祐一 (@YuichiMatsumoto) December 15, 2018
数値の単位が間違っていますが・・・250kオーム、500kオームと読み替えてください…
左が今まで使っていたErnie Ball(Shin’s MOD)、
右が新しいCustom504です。
ループスイッチャー(真ん中の黄色い機材)を使って、ケーブルを抜き差しすることなく条件を揃えて比較できるようにしました。
(できれば動画とかで音も出したかったのですが、動画製作については研究中なもので・・・そのうちやりたいです。)
結果はCustom504に軍配が上がりました。
音色の変化が聴感上自然であることが決め手です。
全開の時の音色にも結構な差があり、比べると250kΩは若干こもって聴こえましたね。
長年比べる対象がなかったのでこんなに違うものかと驚きました。
250kΩがしっくりこなかった理由
今まで使っていた250kΩポットのペダルがしっくり来ていなかった理由ですが・・・
私の楽器はノイズ防止のため、すべて導電塗料によるシールディングが強力に施されており、直接アンプにつなぐと若干ハイ落ちして聞こえます。
そんな楽器の特性と250kΩというポットがもたらすサウンドが一致してなかったんですね。
しかしそこに気づくのがちょっと遅かったです。
ノイズ体質、というものがあるんです。
音色が甘くなってもシールディングを徹底している理由は、私の体質によるものです。
ノイズを拾いやすい体質というものがあるらしく、私はそれに当てはまります。
私が持つとハムノイズがブーンと鳴る楽器でもそのまま他の人が持つと何も問題ない、ということはしょっちゅうです。
ある方から聞いた話では松原正樹さんもそういうことが起こりやすかったとか。
だから同じ500kΩのペダルがフィットしたのかもしれません。想像ではありますが。
デメリットをメリットに変える、それがボリュームペダルの使い方。
「ボリュームペダルは音痩せするから使わないよ」
という意見もありますが、ギター本体のボリュームは使いますよね?原理は同じ事です。
「チューブ・アンプ直のギターのボリュームを絞れば歪みが美しいクランチやクリーンに変わる事を知っていながら、彼らはボリューム・ペダルの音の変化は許せないらしい。」
これは痛快な記事で、「ただの抵抗にしてしまうか、エフェクターとして使いこなすか」はその人次第というわけですね。
もちろんボリュームペダルなしのスタイルもありだと思いますよ。
しかし冒頭で触れたように、いくつも歪みペダルを繋げるのもいいですが、歪み(特にクランチ~オーバードライブ)にバリエーションを持たせたいならボリュームペダルも一度使ってみませんか?
しっくりこなかったところが晴れるかもしれませんよ。
私はそうでした。
今回のブログはここまでです。
次回もお楽しみに。
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